現代の忙しい生活の中で、不健康な食習慣と運動不足が日常となっています。高カロリー、高脂肪、高糖分の食べ物が私たちの食卓に溢れ、座りっぱなしの生活が体に必要な運動を欠乏させています。これらの要因が重なり合い、脂肪肝の発症率は年々増加しています。脂肪肝は、一見「大したことがない」と思われがちな問題ですが、実は私たちの健康にとっては「隠れた殺人者」になりつつあります。
脂肪肝とは
脂肪肝とは、肝臓に過剰な脂肪が蓄積され、その重さが肝臓の5%以上になる状態を指します。脂肪肝にはアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝があり、特に非アルコール性脂肪肝は肥満や糖尿病などと密接に関係しています。
統計によると、我が国では脂肪肝の罹患率が25%を超えており、つまり4人に1人が脂肪肝に悩まされていることになります。
脂肪肝の危険性
脂肪肝の危険性は決して軽視できません。まず、肝臓に直接的なダメージを与えます。脂肪が肝細胞内に蓄積されると、炎症反応を引き起こし、肝細胞が繰り返し炎症を起こし、最終的には肝硬変や肝臓癌に進行することがあります。臨床データによると、非アルコール性脂肪肝患者の約20%が脂肪性肝炎に進行します。炎症が抑制されなければ、肝臓は持続的に線維化し、肝硬変や肝臓癌を引き起こす可能性があります。
さらに、脂肪肝は肝臓による脂肪、糖、タンパク質の正常な代謝を乱し、インスリン抵抗性を引き起こします。これにより血糖値や血脂が異常を来し、脂肪肝患者は2型糖尿病になる確率が正常な人の3倍に達します。また、脂質代謝異常は血液中のトリグリセリドやコレステロールのレベルを上昇させ、動脈硬化の進行を加速させ、心血管疾患(冠動脈疾患や脳卒中など)のリスクを大きく高めます。
さらに懸念されるのは、脂肪肝が肝臓の免疫機能を弱め、体の免疫力を低下させる可能性があることです。免疫力が低下すると、細菌やウイルスなどの病原体に対する耐性が弱まり、感染症にかかりやすく、治療期間が長引く可能性があります。
幸いなことに、脂肪肝は可逆的な病気です。早期に発見し、早期に予防・治療することが重要です。脂肪肝を予防・治療するためのいくつかのアドバイスを紹介します。
脂肪肝を予防・治療
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食生活の改善
高脂肪・高糖分の食品の摂取を減らし、食物繊維を豊富に含む食べ物を増やすこと。野菜、果物、全粒穀物などの食物繊維を多く含む食べ物は腸の動きを促進し、脂肪の吸収を抑えるのに役立ちます。
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適度な運動
毎週150分以上の中強度の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を行うことが推奨されます。筋力トレーニングを取り入れることで、体力を向上させ、体重の管理にも役立ちます。
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健康的な生活習慣
禁煙、禁酒、過労を避け、十分な睡眠をとること。良好な生活習慣は肝臓への脂肪の蓄積を防ぎます。
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定期的な健康診断
年に一度の健康診断で肝機能や肝臓の超音波検査を受けることが重要です。特に肥満、糖尿病、または長期間の飲酒をしている人は注意が必要です。肝弾性検査により、肝臓の脂肪変化の程度を簡単に知ることができ、肝臓の線維化の進行具合も評価できます。
脂肪肝は怖い病気ではありません。私たちが早期に対策を講じ、生活習慣を改善することで、脂肪肝の進行を防ぎ、健康な肝臓を守ることができます。